
しゅんちゃんは ひみつの とけいを もっている
よるの くじに ねても しゅんちゃんの とけいは いつも じゅうにじはんを さしている
つかれた ひは しちじに ねむってしまう ことも ある それでも とけいは じゅうにじはんの まま
ままは くすっと わらって いう しゅんちゃんの とけいは ふしぎだね
しばらく すると ぼくの とけいは じゅういちじ じゅっぷんに なる
ままは なんで そうなるの と わらう ぼくは こたえない だって ぼくにも よく わからない
ときどき ぼくの とけいは ぽーん と ろくじに なる
ままは さすがに それは と いいながら そっと はりを じゅうにじはんに もどす
まるく からだを ちいさく すると とけいは ぴたりと じゅうにじ
ままは まるまって かわいいね と ささやく
みんな ひとり ひとり じぶんだけの とけいを もっているんだよ と ままは いう
ままの とけいは いつも じゅうにじ にじゅうごふん
でも ときどき じゅうにじ さんじゅうごふんに なる
すこし つかれている とき すこし こころが いそがしい とき
ぼくは さみしく なって ままの とけいを そっと にじゅうごふんに もどす
ぼくの とけいが けたたましく おとを ならす ことも ある
からだが びくっと して こころが ぎゅっと なる
ままは あわてて とけいを とめる みたいに ぼくを ぎゅうっと だきしめる
すると とけいは だんだん ゆっくり うごきだす
あさの ひざしが カーテンの すきまから こぼれる ころ
ぼくの とけいは じゅうにじ よんじゅうごふん
まだ すこし ねむたい けれど こころは ぽかぽか
ぼくは そっと ままの ほっぺに じぶんの ほっぺを すりすり する
ままは めを あけて おはよう と いいながら ぼくを だきしめる
とけいは きょうも ふたりの あいだで やさしく すすんで いく

*ノンフィクションです


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