出産前の「思い描いていた未来」との違いに戸惑って
妊娠中、私は未来をよく想像していました。
歩き始めたら公園に行こう。おしゃべりができるようになったら、たくさん絵本を読んであげよう。
育児雑誌をめくりながら、「きっと、こんな毎日になるんだ」と、当たり前のように思っていたんです。
けれど、現実は少し違いました。
生後しばらくしても寝返りをしない、目線が合いにくい、泣き方がどこか違う…。
育児のなかで小さな違和感が積み重なっていき、医療機関を受診すると「知的発達の遅れがあります」と言われました。
そのときの私には、現実を受け止める余裕なんてなかったと思います。
「どうしてうちの子が…」と何度も思い、涙が止まらなかった夜もありました。
頭では理解していても、心が追いつかず、「私がちゃんと育ててあげられるのかな」と、自信をなくしていたあの頃。
でも、今、こうして少しずつ前を向けているのは――
この子が、日々、小さな幸せを教えてくれているからだと感じています。💖
大変さの中に見えた、唯一無二の成長
子育てはもともと大変なものだと思います。
でも、障害のある子の育児は、「大変さの質」がまた少し違うと感じました。
毎週の療育、頻繁な通院、行政とのやりとり、理解されない苦しさ…。
ふつうなら当たり前のようにできることを、“できるようにするため”に何倍もの手間と時間がかかる。
正直、「なんでこんなに頑張っているのに、報われないんだろう」と思ってしまう日もあります。
けれど、だからこそ――
我が子ができるようになったことのひとつひとつが、本当に愛おしいんです。
たとえば、
・初めてスプーンを自分で口に運べた日。
・10秒だけでも、一人で立っていられた日。
・短い言葉を、ちゃんと目を見て伝えてくれた日。
どれも周りの子と比べたら「遅い」と思われるかもしれません。
でも、うちの子なりのペースで、一歩一歩進んでいることが、何よりも嬉しい。
その成長は、決して“当たり前”ではなく、
いくつもの壁を乗り越えた先にある“奇跡”なんです。✨
「できた!」の瞬間が、何倍も嬉しくなる
療育を通して感じたのは、子どもの成長って「スモールステップの積み重ね」だということです。
1日では変わらない。でも、1週間、1ヶ月、1年と経つなかで、
「昨日よりちょっとできる」が積み重なっていく。
その変化に気づけたとき、私はこの子と一緒に“生きている”ことを実感します。
周囲の子が何でもスイスイできているように見えて、焦ったこともあります。
でも、うちの子の「できた!」には、いくつもの努力と時間が詰まっていて、涙が出るほど嬉しい。
その瞬間に立ち会えるだけで、
「あぁ、この子の母親でよかった」と心から思えるんです。
健常・障害に関係なく、子どもはみんなそれぞれ。
その“それぞれ”の輝きに気づける目を、この子が育ててくれました。
周囲のサポートと、夫婦のチーム力
すべてを1人で抱え込もうとした時期もありました。
「母親なんだから」「私が頑張らなきゃ」と、肩に力を入れすぎていたんです。
でも、ある日ぽろっとこぼした私の涙に、夫が黙って隣で寄り添ってくれました。
それ以来、我が家は“夫婦でチーム”になれた気がします。
病院や療育の送迎を分担したり、気になることがあれば一緒に勉強したり。
パートナーと一緒に子どもの未来を見つめられることが、こんなにも心強いとは思いませんでした。
そして、同じ境遇のママたちとのつながりも、大きな支えになっています。
悩みを共有できるだけで、孤独感はぐっと減りますし、他の家庭の工夫や乗り越え方から学ぶことも多いです。
人の手を借りることは、弱さではなく“選択肢を増やすこと”なのだと、やっと思えるようになりました。
幸せは、“比べないこと”から始まった
障害児育児をしていると、どうしても「比べてしまう自分」と向き合う時間が多くなります。
でも、あるとき気づきました。
比べることで見えてくるのは、“今ないもの”ばかり。
でも、自分たちの「今ここ」に目を向ければ、ちゃんと幸せはあると。
たとえば、私の手をギュッと握ってくれる小さな手。
疲れた日に、横で静かに寝息を立てるあたたかい存在。
そんな日常のなかに、いくつもの“幸せの種”が散りばめられていました。
比べるのをやめたら、心がすっと軽くなりました。
うちの子の人生は、この子だけのもの。
私たち家族のかたちは、この家族だけのもの。
それで、十分に幸せなんだと思えるようになったのです。
最後に
障害児の母親になって、たしかに悩むことや泣く夜もたくさんありました。
でも、あの子の笑顔に何度も救われました。
我が子の成長に心を震わせ、家族の絆に涙し、私は今、自分の人生の中でいちばん“人間らしい幸せ”を感じています。
「この子と出会えてよかった」🌟
そう心から言える日々が、私の宝物です。
コメント
「夫婦でチーム」素敵な言葉ですね!
療育の送迎や、一緒に勉強してくれて寄り添ってくれる旦那さんなんですねッ(^^)
ぜひ夫婦円満の秘訣を知りたいです!
婚姻何年目でしょうか?うらやましいです☆
ミコさん、コメントありがとうございます(n*´ω`*n)
療育の送迎から病院まで連れて行ってくれる旦那さんだったんですが、
わけあってその後離婚しました💦
原因は子どもの事ではないです。離婚しても子どもの事に関しては
連絡を取り合い連携を取っています。