子育てをしていると、つい感情的になって「怒っちゃった…」「叱るつもりがただ怒鳴っただけかも」と思うこと、ありますよね。
実は「叱る」「怒る」「注意する」には、それぞれ意味や目的がはっきり違います。違いを理解すると、子どもとのコミュニケーションがぐっとスムーズになります。
1. 怒る…感情が先行する状態
特徴
- 親の感情が先に出る行為
- 「腹が立ったから叱る」という状態になりやすい
- 子どもが行動を理解する前に終わることが多い
例
息子がジュースをこぼしたとき、イライラして大声で「なんでこぼすの!」と怒鳴る。
この場合、子どもは「自分が悪い」と感じるよりも、親が怒って怖い、という印象だけが残ります。
視点
心理学的には、怒ること自体は自然な感情ですが、教育的効果は低いとされています。感情が先行すると、子どもは防衛的になりやすく、学習よりも恐怖や反発を覚えやすいです。
2. 叱る…行動に対して明確に伝える行為
特徴
- 行動に焦点を当てる
- 「なぜその行動が良くないのか」を伝える
- 子どもが理解・反省しやすい
例
同じくジュースをこぼした場合
「ジュースをこぼすと床がべちゃべちゃになって危ないよ。次からはゆっくり置こうね」と伝える。
ここでは親の感情ではなく、行動と結果に焦点を当てています。
視点
叱るときは、感情を交えすぎず、行動とルールに焦点を当てることがポイントです。子どもは「自分の行動が原因だ」と理解でき、次にどうすればよいか学べます。
3. 注意する…安全やマナーを守るための伝え方
特徴
- 指示やアドバイスの形で伝える
- 教育的というより安全や社会性の観点
- 穏やかで短く、行動修正が目的
例
歩きながら走ろうとする子どもに「手をつないで歩こうね」と伝える
- 怒りも叱りもなし
- 安全確保が目的で簡単に伝える
視点
注意は日常生活で頻繁に使えます。感情が入りにくく、行動をすぐに修正したいときに向いています。
4. まとめ:3つの違いを一言で
| 行為 | フォーカス | 感情 | 目的 | 効果 |
|---|---|---|---|---|
| 怒る | 親の感情 | 強い | ストレス発散 | 子どもは恐怖や反発を感じやすい |
| 叱る | 子どもの行動 | 控えめ | 行動理解・学習 | 子どもは反省・改善がしやすい |
| 注意する | 行動修正 | ほぼなし | 安全・マナー | 即行動修正しやすい |
5. たとえ話で理解しよう
例:公園でおもちゃの取り合いをしている場面
- 怒る
「なんで取り合いするの!もう!」
→ 子どもはただ親が怖いだけ。喧嘩の理由やルールは理解していない。 - 叱る
「貸してあげないと、友達も悲しいよね。順番で遊ぼうね」
→ 子どもは相手の気持ちとルールを理解できる。 - 注意する
「順番で遊ぼうね」
→ 単純に行動を修正。簡単に言えるのでその場で使いやすい。
6. 実践のコツ
- まず深呼吸…怒りそうになったら一呼吸
- 行動に焦点…「あなたはダメ」ではなく「この行動はダメ」
- 声のトーンを意識…叱るときは低め、注意は穏やかに
- 繰り返し伝える…子どもは1回で理解できないことも多い
感情に任せて怒るのではなく、叱る・注意するを使い分けると、子どもは安心しながら学べます。
子育て中はついイライラしてしまいますが、意識的に言葉と目的を切り分けるだけで、親子の関係もグッと良くなりますよ。
7. 年齢別・日常シーンでの「怒る・叱る・注意する」事例集(0〜5歳向け)
① 0〜1歳(乳児期)
- 行動例:ベビーラックから手を伸ばして小物を触ろうとする
- 怒る:「ダメ!触っちゃダメ!」(感情先行で危険性は伝わりにくい)
- 叱る:「それは小さいから飲み込むと危ないよ。手を離そうね」
- 注意する:「そこは触らないでね」
この時期は安全確保が最優先。叱るより注意が中心でもOK。
② 1〜2歳(よちよち歩き期)
- 行動例:階段を手すりなしで登ろうとする
- 怒る:「危ないでしょ!やめなさい!」
- 叱る:「階段は手をつないでゆっくり登ろうね。転ぶと痛いからね」
- 注意する:「手をつないで登ろうね」
言葉で説明すると同時に、手をつなぐなどの行動で安全を確保。
③ 2〜3歳(イヤイヤ期)
- 行動例:おもちゃを友達から奪う
- 怒る:「なんで取るの!」
- 叱る:「順番で遊ばないとお友達が悲しいよ。順番を守ろうね」
- 注意する:「次はあなたの番だよ。待ってね」
感情の切り分けが重要。「順番を守る」ことに焦点を当てると理解しやすい。
④ 3〜4歳(言葉・自己主張が出てくる時期)
- 行動例:ご飯を食べずに遊ぶ
- 怒る:「早く食べなさい!」
- 叱る:「ご飯を食べないと力が出ないよ。少しずつ食べようね」
- 注意する:「おもちゃは後でね。まずご飯を食べよう」
この年齢は「理由」を伝えると納得しやすい。叱る時は感情より事実と結果に焦点を。
⑤ 4〜5歳(集団行動やルール理解期)
- 行動例:友達の順番を待てずに割り込む
- 怒る:「待てないの?」
- 叱る:「順番を守らないと、みんなが困るよ。次はちゃんと待とうね」
- 注意する:「順番は大事だよ。次は待ってね」
社会性やルールを学ぶ大切な時期。叱るときは理由を簡単に伝えると効果的。

8. まとめ:実践のポイント
- 年齢によって叱る・注意するの割合を変える
- 怒るのは自然な感情だけど、教育効果は低い
- 「叱る=行動とルールを教える」「注意=安全やマナーを守る」は日常で大活躍
- 短く簡潔に伝えることで、子どもも理解しやすい


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